ここまでの制度の多くは、障害年金や 介護保険のように、患者さんご本人のためのものでした。 これはご家族のための制度です。仕事を休んで介護に当たる配偶者・お子さんのための介護休業と 介護休暇を、2026年8月時点の厚生労働省の公式資料で確認して整理しました。

仕事と介護の両立は、通勤の途中や勤務時間の合間に急な用事が入るという点で、育児と似た難しさが あります。
介護休業 — 通算93日、3回まで分けて取れます
要介護状態の家族を介護する労働者は、対象家族1人につき通算93日を上限に、 3回まで分割して休業できます。厚生労働省の定義では、要介護状態とは
負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を 必要とする状態
です。パーキンソン病そのものの診断だけでは足りず、実際にその状態にあることが要件です。 症状の進行で常時の介助が必要になった段階が目安になります。
対象になる家族の範囲
配偶者の父母(義父母)も含まれます。お連れ合いがパーキンソン病のご両親を介護する場合も、 ご本人が申出をすれば休業を取得できます。
申請は2週間前までに
休業開始予定日の2週間前までに、書面等でお勤め先に申し出ます。有期雇用の方は、休業開始から 93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約が満了しないことが必要です。
介護休業給付金 — 賃金の67%
介護休業中は原則無給ですが、雇用保険から介護休業給付金介護休業を取得した被保険者に、休業開始時賃金日額×支給日数×67%で計算される給付金です。休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算12か月以上あることが要件です。詳しく見るが支給されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給率 | 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67% |
| 主な要件 | 休業開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が通算12か月以上 |
| 就労日数の制限 | 支給対象期間中の就労日数が10日以下 |
| 支給の上限 | 対象家族1人につき通算93日、3回まで。同じ家族で要介護状態が変わっても再度は受けられません |
| 申請窓口 | ハローワーク |
見落としやすい点 — 社会保険料は免除されません
ここが育児休業と大きく違うところです。育児休業中は健康保険料・厚生年金保険料が 被保険者・事業主とも免除されますが、介護休業にはこの免除がありません。日本年金機構が 公表している保険料免除の対象一覧には、産前産後休業と育児休業しか載っておらず、介護休業は 含まれていません。
介護休暇 — 年5日・10日、時間単位でも
介護休業よりも短い単位で使えるのが介護休暇です。通院の付き添いや、ケアマネジャーとの 面談、急な体調変化への対応など、1日〜数時間だけ休みたいときに使います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日数 | 対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日 |
| 取得単位 | 時間単位でも取得可(2021年1月改正) |
| 給与 | 法律上は無給が原則 — 有給にするかは会社の規定による |
| 申出方法 | 書面に限らず、口頭での申出も可能 |
介護休業給付金のような給付金の制度はありません。会社が独自に有給扱いにしていない限り、 その日・その時間は無給です。
2025年4月の改正 — 「入社半年未満」を理由に断れなくなりました
厚生労働省の育児・介護休業法改正により、令和7年(2025年)4月1日から次が変わりました。
こんなときは
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 配偶者の親(義父母)を介護しています | 対象になります。配偶者の父母も対象家族に含まれます |
| 入社してまだ3か月です。介護休暇を断られました | 2025年4月の改正で「入社6か月未満」を理由にした除外はできなくなりました。人事に確認してください |
| 介護休業給付金の67%だけで生活できるか心配です | 給付は67%でも社会保険料は満額のままかかります。休業前に、保険料の支払い方法(給与天引きできない分の精算時期)を会社に確認しておいてください |
| 通院の付き添いで半日だけ休みたいです | 介護休暇は時間単位で取得できます。介護休業(長期)を使うほどではない用事にはこちらが向いています |
| 93日をまとめて一度に使うべきか迷っています | 3回まで分割できます。症状の変化に合わせて、今すぐ全部使わずに残しておく選択もできます |
| 転職したばかりで介護休業給付金の対象か分かりません | 雇用保険の被保険者期間が要件になります。前職からの通算が認められるかはハローワークで確認してください |
患者さんとご家族へ
この制度はご本人ではなく、支える側のご家族のためのものです。介護休業は長期の休みが必要に なったときのため、介護休暇は通院の付き添いなど短時間の用事のためと、性格が違います。 両方を知っておくと、症状の波に合わせて使い分けられます。
社会保険料が免除されないという点は見落とされがちです。休業を決める前に、収入がどれだけ 減るか(給付67%からさらに保険料が引かれる)を具体的に計算しておくと、復帰後の家計の見通しが 立てやすくなります。
このページは法律相談や行政の決定に代わるものではありません。記載した制度・数字は2026年8月時点で 厚生労働省・日本年金機構の公式資料で確認したものです。制度は改定されますので、ご自分の申請に ついてはお勤め先の人事担当・お近くのハローワークにご確認ください。


