歩行が困難な方が使う車には、駐車禁止除外指定車標章という制度があります。この標章を車に 掲示すると、公安委員会による駐車禁止規制の対象から外れます。通院や外出のたびに駐車場所に 困っている方には助けになる制度ですが、「これがあればどこでも停められる」わけではありません。 以下は2026年8月時点で警視庁・県警の公式ページを実際に確認して整理したものです。

対象になる等級
警視庁の案内では、身体障害者手帳の場合、次の障害種別・等級が対象です。
| 障害の種別 | 対象等級 |
|---|---|
| 視覚障害 | 1級から3級までの各級、または4級の1 |
| 聴覚障害 | 2級または3級 |
| 下肢機能障害 | 1級から4級までの各級 |
| 上肢機能障害 | 1級、2級の1または2級の2 |
| 心臓・腎臓・呼吸器機能障害など | 1級または3級 |
| 免疫機能障害・肝臓機能障害 | 1級から3級までの各級 |
このほか、戦傷病者手帳、療育手帳(1度・2度)、精神障害者保健福祉手帳(1級)、小児慢性特定疾病 医療受給者証をお持ちの方も対象になります。パーキンソン病では下肢機能障害や 体幹機能障害頸部・胸部・腹部・腰部を含む部分の機能障害です。パーキンソン病で身体障害者手帳を申請するとき、「肢体不自由」の中でここが見られることが多くあります。座った姿勢や立った姿勢を保っていられるかという「体位の保持」も重要な判定要素です。詳しく見るで 身体障害者手帳の交付を受けている方が中心になると考えられますが、実際に対象になるかはお 持ちの手帳の等級を警察署に確認してください。
落とし穴 — 除外されるのは「標識による駐車禁止」だけです
「法定駐車禁止場所」には、交差点の側端から5メートル以内、横断歩道の前後、消防用機械器具の 置き場から5メートル以内など、道路交通法そのものが定めている場所が含まれます。これらは 標識が立っていなくても法律で決まっている禁止場所なので、標章を掲示していても駐車すれば 違反になります。
「駐停車禁止」の場所(駐車だけでなく停車も禁止されている場所)も同様に、標章の対象外です。 出かける前に「ここは標識による駐車禁止なのか、それとも駐停車禁止や法定禁止場所なのか」を 意識しておくと、思わぬ違反を避けられます。
申請の方法
申請はお住まいの都道府県警察の警察署交通課で行います(東京都内は都内すべての警察署 交通課で申請可能です)。申請できるのは、歩行困難な方ご本人のほか、親権者や補佐人などです。
必要書類や受付時間は都道府県警察によって案内が異なることがあります。窓口へ行く前に、 管轄の警察署に電話で確認しておくと安心です。
更新を忘れずに
標章には有効期限があります。広島県警察の案内では、更新手続きは有効期限の2か月前 からできるとされています。有効期限が切れると、それまで使えていた標章の効力もなくなります。
具体的な有効期間の年数は都道府県によって案内が異なることがあるため、お手元の標章に記載 された期限を確認し、余裕をもって更新の手続きをしてください。
こんなときは
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 標章があるので、駐車禁止の標識がある場所ならどこでも停めていいと思っていた | 標識による駐車禁止のみが除外対象です。駐停車禁止場所・法定駐車禁止場所(交差点付近など)は標章があっても対象外です |
| 自分の障害等級が対象になるか分からない | 身体障害者手帳を持って警察署交通課に確認してください。下肢機能障害は1級から4級まで幅広く対象です |
| 標章の有効期限が近づいている | 期限の2か月前から更新手続きができます。切れる前に済ませておいてください |
| 車を買い替えた・引っ越した | 標章の内容変更や再交付が必要になる場合があります。警察署交通課に確認してください |
患者さんとご家族へ
この制度は「標章があれば安心」で終わらせずに、どこまでが対象かを知っておくことが 大事です。とくに交差点付近や横断歩道の近くなど、駐車禁止の標識が見当たらない場所ほど、 実は法定駐車禁止場所であることがあります。急いでいるときほど確認を飛ばしがちなので、 よく行く場所の駐車できる範囲は、あらかじめ確認しておくと安心です。
このページは法律相談や行政の決定に代わるものではありません。記載した要件・扱いは2026年8月 時点で警視庁・県警の公式ページで確認したものです。制度の詳細は都道府県によって異なることが ありますので、実際の申請については、お住まいの都道府県警察の窓口にご確認ください。


