障害のある子どもを持つ保護者にとって、「自分がいなくなった後、この子の生活はどうなるのか」 という不安に備える制度に障害者扶養共済制度(通称「しょうがい共済」)があります。加入 できる年齢に上限があるという、見落とすと取り返しがつかない特徴があります。以下は 2026年8月時点で厚生労働省・WAMの公式資料を実際に確認して整理したものです。

どういう制度か

保護者が生きているうちに毎月の掛金を納め、保護者が死亡したとき、または両眼の視力を 永久に失うなど9つの重度障害状態のいずれかに該当したときに、障害のある方へ生涯に わたり毎月2万円(2口加入の場合は4万円)の年金が支給されます。

加入している間保護者に万一のことがあったとき
保護者が毎月掛金を納める障害のある方に生涯、毎月2万円(2口で4万円)の年金が支給される

対象になる方

対象内容
保護者(加入者)障害のある方を扶養している保護者で、加入時に満65歳未満であること
障害のある方知的障害、身体障害者手帳1級から3級相当、統合失調症など永続的な障害で同程度と認められる方で、将来独立自活が困難と認められる方

落とし穴 — 保護者が65歳を過ぎると、新規加入できません

ここが一番の見落としポイントです。この制度に加入できるのは、保護者(加入者)が満65歳未満のときだけです。「まだ元気だから」「もう少し先でいい」と考えているうちに保護者が65歳を超えてしまうと、新規に加入する道はなくなります。保護者が高齢になってから慌てて調べる方も多いのですが、その時点ですでに手遅れになっていることがあります。

障害のあるお子さんやご家族がいる場合は、保護者の年齢が65歳に近づく前に、加入するかどうかを 一度検討しておくことをおすすめします。

貯金箱にコインを入れる手元

掛金の目安

掛金は加入時の年齢によって決まり、以降その金額のまま固定されます(1口あたり月額)。

加入時の年齢月額掛金の目安
35歳未満9,300円
35歳から40歳未満11,400円
60歳から65歳未満23,300円

加入する年齢が上がるほど掛金も上がるため、早く加入するほど負担は軽くなります。なお、 保護者が65歳(4月1日現在)に達し、かつ継続して20年以上加入していれば、以降の掛金は免除 されます。

税制上の扱い

納めた掛金は全額が所得税・住民税の所得控除税金がかかる所得の計算のとき、収入から一定額を引ける仕組みです。控除額の分だけ税金がかかる所得が減ります。詳しく見るの対象になります。また、障害のある方が 受け取る年金は非課税です。掛金を負担しながら、確定申告や年末調整のときにあわせて 所得控除の手続きを忘れないようにしてください。

こんなときは

状況どうするか
保護者が60代前半で、加入を迷っている65歳を超えると新規加入できません。早めにお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に相談してください
加入している間に、障害のある方が先に亡くなった加入期間に応じて30万円から250万円程度の弔慰金が支給されます
加入をやめたい(脱退したい)加入期間に応じて脱退一時金が支給される場合があります。窓口に確認してください
すでに保護者が65歳を超えているこの制度への新規加入はできません。生命保険など他の方法での備えを検討してください

患者さんとご家族へ

この制度で一番もったいないのは、「まだ先のことだから」と考えているうちに、保護者が65歳の 年齢制限を超えてしまい、加入という選択肢自体を失ってしまうことです。今すぐ結論を出す必要は なくても、保護者の年齢が60代に入ったら、一度お住まいの市区町村の窓口で話を聞いておくだけでも、 将来の選択肢を残すことにつながります。

このページは法律相談や行政の決定に代わるものではありません。記載した要件・金額は2026年8月 時点で厚生労働省・WAMの公式資料で確認したものです。実際の加入については、お住まいの市区町村の 障害福祉担当窓口にご確認ください。