パーキンソン病の診断を受けると、あまりに多くの情報が一度に押し寄せて、かえって圧倒されて しまいやすいものです。すべてを今すぐ調べなくてもかまいません。下の順番に一つずつ整えて いけば十分です。

ドア枠のあいだに取っ手が見える、少し開いたドア

気持ちを落ち着ける時間をとってください

ほっとした気持ち、悲しさ、混乱、どうしていいかわからない感じ — いろいろな感情が一度に 押し寄せてくるのは自然な反応です。すぐ次の段階へ進まなければ、という圧迫を感じなくても かまいません。必要なら、ご家族やお友だちに今感じている気持ちをそのまま話すことから始めても よいのです。

病気について少しずつ知っていってください

パーキンソン病とはどんな病気か、どんな症状があるかといった基本的な内容は、 病気を知るの分類の記事で一つずつ扱っています。一度に全部読まなくても かまいません — 気になることが出てきたときに一つずつ調べる、という程度で十分です。ただ インターネットには、根拠のはっきりしない情報や、悪い事例ばかりを集めたページも多くあります。 検索していて不安が大きくなるようなら、いったん止めて、パーキンソン病財団(Parkinson’s Foundation)やマイケル・J・フォックス財団のように根拠を示すところ、難病情報センターのような 公的な情報源、あるいは主治医に直接確かめるほうへ向きを変えるのがよいでしょう。

医療チームを少しずつ整えてください

脳神経内科(神経内科)の主治医が中心になりますが、必要に応じていろいろな専門職が 加わります。歩行やバランスが不自由なら理学療法士、声が小さくなったり飲み込みにくく なったりしたら言語聴覚士、字を書くことや手の動きが不自由なら作業療法士が 助けてくれますし、気持ちが沈んだり不安が強かったりするときは、こころの専門家に相談することも あります。脳神経内科のなかにも、パーキンソン病や運動の病気だけを専門的に診る医師がいる場合が あり、一般の脳神経内科より関連する訓練を1〜2年多く受けていて、薬の調整の経験が多い傾向が あります。毎回遠くの専門医に通うのが難しければ、年に1〜2回は専門医に診てもらい、その間は 近くの脳神経内科で管理してもらう、というやり方も現実的な選択です。はじめからすべての専門職を そろえなくてもよく、症状に応じて一つずつ増やしていけば十分です。診察の前に、気になることや 最近の変化をメモしていくと、短い診察時間をより充実して使えます。

使える制度を確認しておいてください

パーキンソン病は、難病法にもとづく指定難病6です。都道府県・指定都市に申請して支給認定を 受けると、指定医療機関でのパーキンソン病の医療費が、所得に応じた月額の上限までで済むように なります(難病医療費助成制度)。ただし診断がついたら自動的に使えるものではなく、 ホーン・ヤール重症度分類3度以上かつ生活機能障害度日常生活と通院にどれくらい介助が必要かで3段階に分ける尺度です。ホーン・ヤール重症度分類とは別の尺度で、この二つを合わせて判定します。詳しく見る2度以上という重症度の線引きがあります。 そこに届かない方でも、医療費総額(10割)が33,330円を超える月が12か月以内に3回以上あれば 軽症高額該当重症度分類には届かないけれど高額な医療を続ける必要がある方のための入口です。医療費総額(10割)が33,330円を超える月が、申請月以前の12か月以内に3回以上あれば対象になります。詳しく見るとして対象になります。

ここでいちばん損をしやすいのが申請の時期です。助成の遡りは原則として申請日から1か月で、 やむを得ない理由があるときに最長3か月まで延長されるだけです。次の受診を待たずに、診断がついた その場で診断書(臨床調査個人票)の作成を依頼しておくのが安全です。また、パーキンソン病は介護 保険の特定疾病介護保険法施行令第2条に列記されている16の病気です。40歳から64歳の方でも、要介護状態の原因がこの中のどれかであれば要介護認定を申請できます。詳しく見るに含まれるため、40歳以上であれば65歳未満でも市区町村の窓口で要介護認定を 申請できます。要件・金額・申請の流れは 難病医療費助成制度 — パーキンソン病で申請するときの 記事にまとめました(基準や金額は2026年8月時点で難病情報センターと厚生労働省の公式ページで 確認したものです。制度は改定されますので、ご自分の申請についてはお住まいの都道府県・指定都市の 窓口でご確認ください)。

支えてくれるつながりを探してみてください

ご家族やお友だちだけでなく、同じ病気を経験している方と話すことも助けになります。似た経験を した方との会話から、自分は一人ではないという確かさを得られることが多いのです。日本には 一般社団法人 全国パーキンソン病友の会という全国組織の患者会があり、各都道府県に支部が あって、医師による電話医療相談や、治療・療養に役立つ情報の提供を行っています。お住まいの 近くに集まりがあるかどうか、探してみるのも一つの方法です。

今調整できることから始めてください

大げさに始める必要はありません。薬を飲む時間を規則的に守ること続けて体を動かすこと十分に眠ることのように、今すぐ調整できることから一つずつ整えていけば十分です。運動が 大変に感じられるなら、短くやさしいものから始めれば十分です — きちんとした運動でなければ いけないわけではありません。

この記事は、医学的な診断や治療の代わりになるものではありません。診療や制度のくわしいことは、 主治医や関係する窓口にご確認ください。