パーキンソン病の治療薬のうちドパミンアゴニスト(dopamine agonist)脳でドパミンと似たはたらきをする薬です。レボドパと一緒に、または単独で使われ、衝動制御障害の危険がレボドパよりはっきり高いことが知られています。詳しく見るを飲んでいる方の一部に、衝動制御障害(ICD)害になる、あるいは害になりうる行動をやめられない状態です。その行動をすると不安や緊張がゆるむ感じがあると報告されています。詳しく見るが現れることがあります。ドパミンアゴニストを飲んだことがない方の発生率が12%であるのに対し、飲んでいる方では最大52%まで報告した研究もあるほど、はっきりした差があります。

木に吊り下げられた木の札。いちばん下に「Self control」と書かれている

どんなかたちで現れますか

もっともよく報告されるのは病的なギャンブル、過度な買い物、過食、性欲の高まりの四つです。 患者さん全体のうち25%以上が、このうち二つ以上を同時に経験することが知られています。 ひどい場合には、ギャンブルや買い物で破産にいたるほど大きな金銭的な損害を受けることもあります。

なぜご本人は気づきにくいのですか

衝動制御障害は、パーキンソン病の患者さんご本人が問題として認めるのがとくに難しい症状です。 ご本人は「ただやりたいからやっている」と感じているため問題として受けとめないことが多く、 その行動が病気の症状だということ自体を知らない場合もよくあります。そのため実際には、 ご家族や配偶者が先にいつもと違うお金の使い方や行動の変化に気づいて、病院に伝える ことが多いのです。

ご家族が見ていて気づける変化

  • いつもと違って、ギャンブルやネットの買い物に没頭する時間が大きく増えた
  • 出費が目に見えて増えた、あるいは隠そうとする
  • 食べる量が急に大きく増えたり、過食する様子が見られる
  • いつもと違う性的な関心や行動が見られる

こうした変化が、ドパミンアゴニストを飲みはじめた時期と重なっているなら、偶然ではなく薬の 副作用である可能性を頭に置いておくとよいでしょう。

とくに注意して見ておいたほうがよい場合

次に当てはまる方は衝動制御障害の危険が比較的高いと報告されていますので、薬を始めるときから 少し注意して見ておくとよいでしょう。

  • 比較的若い年齢で診断された
  • 男性である
  • うつを経験したことがある
  • 過去にお酒・ギャンブルなど、ほかの依存の問題を経験したことがある

自分から薬を増やして飲もうとすることもあります

まれですが、患者さんの一部に、処方された量より自分から薬を多く、頻繁に飲もうとする 様子が見られることがあります。これを ドパミン調節障害症候群処方された量より自分から薬を多く、頻繁に飲もうとする状態です。薬を減らそうとすると不安がったり、こっそり多めに飲んだりするかたちで現れることがあり、衝動制御障害と一緒に現れることが多いです。詳しく見る といいますが、薬を減らそうとすると不安がったり、こっそり多めに飲んだりするかたちで現れる ことがあります。同じ行動を目的なくくり返し続ける パンディング物を集めたり、分解して組み立て直したりするように、とくに目的なく同じ行動をくり返す状態です。ドパミンの薬の量が多いときに現れやすいことが知られています。詳しく見る の様子が一緒に現れる場合もあります。これも意志が弱いからではなく、薬が脳の報酬の回路に およぼす影響のためですので、ご家族が薬をこっそり隠したり言い争ったりするのではなく、 主治医と一緒に飲み方を調整するほうが安全です。

今できること

こうした変化に気づいたら、ご本人もご家族も恥ずかしがったり隠したりせず、主治医に伝えることが 大切です。ほとんどの場合、薬の種類や量を調整すれば症状は軽くなることが知られています。 早く見つけて対応するほど、金銭的な損害や人との関係のこじれを小さくできます。

この記事は、医学的な診断や治療の代わりになるものではありません。こうした変化があるときは、 主治医にご相談ください。