パーキンソン病が進んで日常生活のほとんどに介助が必要になった段階で、存在自体を知らないまま 何年も申請していない方が少なくない制度があります。特別障害者手当です。
障害年金や介護保険の申請はしていても、この手当は案内されて初めて知ったという声が多く聞かれます。 以下は2026年8月時点で、厚生労働省の公式資料と法律(特別児童扶養手当等の支給に関する法律)を 実際に確認して整理したものです。
誰が対象か
厚生労働省の説明はこうです。
精神又は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある 在宅の20歳以上の者に支給されます。
ポイントは3つです。

支給額といつ振り込まれるか
支給月額は30,450円(令和8年4月より適用)です。金額は物価に応じて毎年見直されるため、 この数字は今後変わり得ます。
支払時期は毎年2月・5月・8月・11月の年4回で、それぞれ前月分までがまとめて支給されます。 月ごとに振り込まれるわけではないので、家計の管理では注意してください。
所得制限があります
受給資格者(特別障害者本人)の前年の所得が一定額を超えるとき、または配偶者・扶養義務者 (同居する父母など)の前年の所得が一定額以上のときは支給されません。
| 扶養親族等の数 | 本人の所得制限額 | 配偶者・扶養義務者の所得制限額 |
|---|---|---|
| 0人 | 3,758,000円 | 6,287,000円 |
| 1人 | 4,138,000円 | 6,536,000円 |
| 2人 | 4,518,000円 | 6,749,000円 |
| 3人 | 4,898,000円 | 6,962,000円 |
支給されなくなる3つの場合
法律(特別児童扶養手当等の支給に関する法律 第26条の2)は、次のいずれかに該当するときは 手当を支給しないと定めています。
障害年金・介護保険との関係 — 併給できます
「もう障害年金をもらっているから、これは対象外だろう」と思い込んで申請しない方がいます。 そうではありません。
法律上、特別障害者手当の支給を止めるのは「政令で定める、手当に相当する他の給付を受けられるとき」 に限られており(第26条の4)、障害年金はこれに当たりません。目的が異なる別の制度だからです。
| 制度 | 何のための制度か |
|---|---|
| 障害年金 | 障害によって働くこと・暮らすことが難しくなった分の長期的な所得保障 |
| 特別障害者手当 | 常時特別な介護が必要な分の精神的・物質的な特別の負担の軽減 |
| 介護保険 | 訪問介護・福祉用具などの介護サービスそのものの提供 |
3つとも別枠の制度なので、要件さえ満たせばすべて同時に使えます。「年金をもらっているから」 「介護保険を使っているから」という理由だけで諦める必要はありません。
申請の流れ
こんなときは
| 状況 | どうするか |
|---|---|
| 障害年金をもらっているので対象外だと思っていました | 障害年金と特別障害者手当は目的が異なる別の制度で、併給できます。窓口で改めて確認してください |
| 介護保険で訪問介護を使っています | 介護保険を使っていても対象外にはなりません。介護サービスの利用と所得保障は別枠です |
| 入院が2か月を超えて長引きそうです | 3か月を超えて継続入院すると支給が止まります。3か月の節目が近づいたら窓口に確認し、退院後は再開の手続きを忘れないでください |
| 施設に入所することになりました | 生活介護を受ける障害者支援施設等に入所すると対象外になります。在宅に戻れば要件を再び満たします |
| 自分が「常時特別な介護」に当たるのか分かりません | 診断名だけでは判定されません。日常生活でどれだけ介助が必要かが基準です。診断書を書いてもらう前に、まず市区町村の窓口で目安を聞いてください |
患者さんとご家族へ
この制度で一番もったいないのは、金額の計算より前に「知らずに申請していない」ことです。 障害年金や介護保険の申請窓口では案内されないことがあり、在宅介護の負担が重くなってから 初めて存在を知る方が実際に多くいます。
日常生活のほとんどに介助が必要になってきたと感じたら、他の制度の申請と別に、一度この手当の 対象になるかを市区町村の窓口で確認してみてください。すでに障害年金や介護保険を使っていても、 確認する価値はあります。
このページは法律相談や行政の決定に代わるものではありません。記載した制度・金額は2026年8月時点で 厚生労働省の公式資料および法律で確認したものです。制度は改定されますので、ご自分の該当については お住まいの市区町村の窓口にご確認ください。


